2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」

私は洗面にかかったタオルに手を伸ばして引き抜くと、奈々美ちゃんの手首を掴んで止血した。

身体を支えて、ゆっくりと床に寝かせる。

今日に限っての…アイボリーのロングスカート。
血液が飛び散って…赤茶けたシミが進行してみるみる染まっていく。

「…スゥ……すき…なのに。スゥ……。」

奈々美ちゃんの消えそうな息。

彼女の肩をできるだけそっと揺らしながら、

私は…

私の頬を叩いたアリスさんの顔を思い出していた。

そうだ…

こんな顔をしてた。

怒りでも悲しみでも無い…自分の感情に溺れそうな顔。

2度ほど、濡れた床にスマホを滑らせながら…私はなんとか119番を押すことが出来た。

奈々美ちゃんを助けて…。