そうだ…今日の夕方、新しい鍵を付けてもらう予定だ。

でも…内鍵をするクセがついてしまったように思う。

施錠して、シンとした部屋に向き直ると…微かに水の漏れ落ちる音が聞こえるような気がした。

スゥがいない部屋は…なんだか怖い。

…情け無い。

でも、やっぱり…聞こえる?水の細く流れる音。

スゥがいない部屋を想像すると…寂しい。

…情け無い。

たかが…抱かれたくらいで…

そんなくらいで…


私は、水音に導かれるように廊下を進む。

スゥの部屋…?

温もりと感触…快感。

私を貪る、綺麗な横顔と切ない表情、吐息。

胸に残る…赤い跡。


違う…ここじゃなくて…バスルーム?

私は廊下を挟んで反対側のバスルームへ近づく。