「あぁ…笹原さん、おはよう。」

リュウはいつもの冷静を装って…床のカラーチューブに視線を落とした。

「(笑)ストック…落としちゃって。」

秒でスタイリストの顔だ。

「(笑)あぁ…手伝います!」



〝アキは…僕らの…〟

……天使だった……


「………心ちゃん…ごめんね。
私、た…体調悪くって。」

「えっ…!大丈夫ですか?確かに…顔色悪いかもです。」

「早退…させてもらっていいかな。」

私は咄嗟にそう告げると頭を下げた。

心亜ちゃんには絶対に見られたくない胸元を抑えて……。

その時、リュウがどんな顔をしていたのかは分からないけれど…

とにかく、この場で平常心を保てそうにない私がいたことに間違いは無い。