2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」

私は、ブラシをグッと引き上げてドライヤーの風を髪に馴染ませる。

鏡に映ったリュウをお客さんに気付かれないようにチラ見する。

昨日のせいで…面と向かって彼を見られない。

昨日のキス…のせい?

アリスさんとのこと…。

昨晩のスゥとのこと。

面と向かえない距離を作ってしまっているのは私の方だ。

「桐島さんは?」

「…へっ?」

ドライヤーの音が重なって聞き取り辛い。

「彼氏、いるの?」

音が…うるさくて…という様な顔を作って誤魔化してみる。

「毎日忙しくって…出会いとか無いですね〜。」

嘘ではない。

「ええ〜!美容師さんなんて毎日が出会いだらけじゃないのぉ〜。」