2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」

もし…合格してデビューが決まったなら…

スゥと2人きりで、ちゃんと会うことができるのだろうか…。

こんなに緩くて、自由で…勝手なことを言える時間。

好きな時間に起きて、嫌いなトマトを残して、午前0時に近い真夜中に…ドラッグストアや神社を散歩して…。

女の子連れ込んで、ケンカして…。

私は大きなスーツケースを見つめる。

もし、デビューが決まるような事があったなら…

スゥには、勝手に自由に…恋することは許されるのだろうか?

どこにいても、誰といても常に見られている生活。

誰かの目がついて来る日常。

推しの代弁者、心亜ちゃんの言葉が今さら刺さる。

スゥならきっと…

新しい恋をすぐに見つけられるし、

スゥならきっと…

どこにいても愛される。

けれど…

スゥと私の…緩くて勝手で自由なこの瞬間は、もしかしたら最後なのかもしれない。

もしかしたら…

これが2人の最後の夜なら…。

私は振り返る。

ベッドに仰向けになって額に腕をのせたスゥは、大きなため息と共に目を閉じた。

愛しさと…何かが混ざる。