2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」

「美容師は髪を切ってこそ!スタイリストの鑑だなっ。(笑)
ハルちゃんも、こんなのに付き合ってたら朝になっちまうから、いい加減置いて帰っちゃえよっ。」

「(笑)はい。大丈夫です。」

私はオーナーの口調に合わせて、置いて帰っちゃいます!…と笑った。

リュウはハサミを止めて通用口から出て行くオーナーに、頭を下げて見送るとまた指先を動かし始める。

チルな選曲の有線を止めた店内は静かで、流青君のハサミの音だけがシャキシャキっ…と響く。

一定ではないが、軽やかでくすぐったいような、その音に相反して…彼の表情は真剣で糸を一本、ピンと張ったような緊張感が伝わってくる。

薄暗い照明に…髪を愛でるようなリュウの真剣な眼差しに…引き込まれてしまいそうになる。