「ありがとう。スゥ…。
何年後か分からないけど…私が誰かと結婚してたら、御利益…残っててくれるかな。」

「(笑)…たぶん?
てか…やっぱ効力って1年くらいじゃねぇの?」

「まっ…いっか。」

私とスゥはケラッと笑った。

皆んなの…夢が叶いますように…。



可愛いピンクの安産祈願。


マンションの前まで来ると、リュウが入口の前で立っていた。

私とスゥを見てすぐにエレベーターのボタンを押す。

しれっとクールを決め込んだリュウだか…

「心配させんなっ。」
と呟いて踵を返すリュウが愛おしくて、私はリュウの腕に自分の腕を巻きつけた。

そして…スゥに手を伸ばして、その腕にももう片方を巻きつけた。

2人の夢が叶って欲しい。



私は布団に入ってからもしばらく…スゥからもらった御守りを眺めては手のひらで触れた。


恋愛成就か…。

じゃ…なくて(笑)

安産かっ!!(苦笑)


新しい…プロポーズかと思うじゃん。
な、訳ないけど。

「私の…夢かぁ…。」

もしかして、私の夢は既に叶っているのかも。

スゥとずっとこうしていたい…。
リュウとずっとこうしていたい…。

スゥが側で笑ってくれて、リュウの側で一人前のスタイリストになる。

2人の夢が叶っていくたび、私の夢は遠くなる…?

片想い…?

片想いしてる。

私は、スゥとリュウに片想いしているのかもしれない。

…かもしれない。