「スゥ……あのっ、これ。」

気のせいだよね。
私は振り切るように話を変える。

「何?」

「今日は1日(ついたち)だから。
ついたち参りの日は、この神社23時まで灯りがついてるの。
御朱印とか、御守りとかも買えたりするから…。」

そう言って私は授与所の方を振り返ってみせる。

今買った、赤字で〝上〟と書いた白い紙袋をスゥに手渡した。

スゥは不思議そうにしつつも、私の顔を覗き込みながら袋の中の紐を摘み上げた。

ラメの入った紅色の生地に、金色の糸。

〝必勝。合格成就御守〟

と書かれた御守り。

「……あっ……。」

「いいでしょっ! 朱雀は紅。流青は蒼。」

私はもう一つ、白い紙袋を見せて笑った。

「あっ…ははっ。(笑)
嬉しいなっ。ありがとう!」