「いいから…横になれよ。」

「ハルちゃんに何かあったら…俺は黙っていられないっ…黙ってねぇから。」

「分かった。いいから横んなれっ…俺が見て来るから。」

「アキを…守れなかったから。」

俺たちの…罪。

「それはっ!俺も同じだよ…。
だから…それ以上言うなよ。
…ハルを迎えに行ってくる。」

そう言って、外へ出た朱雀は勢いよく玄関の扉を閉めた。

異常に呼吸が浅い…。

明らかに動揺する自分を落ち着かせるように溜め息をつく。

顔を上げて3階の廊下の窓から外を見た。

階段を挟んでエントランスから繋がる大きな窓。

「ったく。ハルのヤツ、どこ行くつもりだよ…。」

コンビニから真っ直ぐにこちらのマンションに向かおうとせず…右の角を曲がって歩いて行くハルが見える。