和やかに見える…3人での一時避難生活で、私は夜中に何度もうなされた。

酷い寝汗と悪夢と…遠い意識の中でぼんやりとした不安に跳ね起きた。

真っ白な衣装を付けたスゥの胸が真っ赤に染まって…羽毛が舞う…。

あるいは、朝のホームで心亜ちゃんを見つけて駆け寄ると…彼女の背後で女の子が線路へ転落する。

一本の棒切れのように…線路へ吸い込まれる。

直後に通りすぎた特急列車に私は自分の悲鳴で目が覚める。

はぁ…はぁ…はぁ…

夢…かぁ。

ひどい喉の渇きと汗を何とかさせる為にベッドから立ち上がる。

真夜中…いや、もう朝方に近い。

そっと2人が眠るリビングを抜けてキッチンへ。

冷蔵庫に一本だけ残っていたビールの蓋を開けて…口に含む。

冷蔵庫の開閉音や、プシュ…というビールを開けるプルタブの音に、スゥは何度か寝返りを打つ。