「うわぁーーーーっ!だからぁ〜(苦笑)」
流青君が頭を後ろに反らせて…〝あちゃー〟という表情をする。

「(笑)ダメっ?やっぱり…。トマトって、切れない包丁に素直だよね〜。この包丁で今までどうやって食べてたの?」

「洗ったら…そのまんま。」

「(笑)わかるぅ〜。でもさぁ、種とか飛ぶしっ…手首まで汁がね〜。」

「そうそ。だからシンクに俯いて立ったまま食べるっ!」

ヨレた、くし切りトマトをお皿に並べて2人してククッと笑った時トースターから香ばしい匂いが漂ってきた。

トマトとレタスとハムエッグとトースト。

朝食の定番を2人で作る。

「あっ…。リュウ、パン焼けたよ。」

「あっ!!待って。まだもう少し、焦げ目をつけた方が…。」

「こだわるんだねーーーー(笑)!」

スゥが流青君のことを〝流青〟と呼んだり〝リュウ〟と呼んだりするから…この〝避難所生活〟3日目ぐらいから私も流青君のことをリュウと呼ぶようになっていた。