シンプル過ぎるこの部屋の唯一のインテリア?…は、このお掃除ロボットだけのようだ。

手触りの良い光沢のあるシアバター加工のベッドカバーからも、高級ホテルかのような白くて軽い羽根布団からも…流青君の温もりを感じられるモノが無さすぎて…私は少し不安なって2人を探して部屋を出た。

昨晩、この家に到着して…

気持ちを落ち着けるために、3人で一杯だけビールを飲んだ後…私は流青君のベッドを借りて眠った。

リビングのソファーに流青君。
その隣で、スゥは床に布団を敷いて横になった。

2人掛けのソファーからは流青君の長い足が10センチほどはみ出してしまっていたが、
彼は、眠れる森の美女の絵本の定番の表紙のように…両手を胸の上で組んで、整った寝姿で整った寝息を微かに刻んでいた。

スゥは…相変わらず…笑
その辺のクッションを身体に絡めるように抱きしめて…子供のような無邪気な格好で軽い寝息を立てている。

D・Dオーディション専用のSNSがスゥの熱愛問題で炎上する中…奈々美ちゃんの匂わせを問い正したスゥに彼女が激情したらしい。

別れ話…というかセフレ解消を察した奈々美ちゃんは、やり場の無い激しい怒りと哀しみをウチのソファーとクッションに当たり散らして…その様子をSNSにアップしたらしい。

Twitterが騒ぎ出して…
スゥは、私を心配してアパートにかけつけた。…その途中で私からの電話が鳴ったという訳で。

とにかく…今、ひどく荒れ放題になっているであろうSNSを開く勇気がない。