「ねぇ、ハルさん…」

奈々美ちゃんはそう囁いて、私のロングスカートの中に手を忍ばせる。

…………っ!!

弄る指先。

スルスルとスカートの裾をたくし上げて…私の右太腿が露わになる。

恐怖で身体が動かない。

抵抗するか受け入れるか…そんな選択よりも身体がいうことを効かない。

私は背筋に力を入れて身体を壁に貼り付ける。

「ここ…スゥに触らせたことある?」

こ…殺される。

なんて…一瞬よぎる。

奈々美ちゃんは私の右膝小僧に唇を寄せると…

いやらしい音を立ててキスをし始めた。

内太腿のもっと奥……。
下着を弄ると細くて長い指先がそこに触れる。

私は悲鳴をあげたくなるのを我慢して…瞳を閉じた。

あまりの恐怖の愛撫に声も感覚もフリーズする。

白い狂気が私の右足にまとわりつく。

「落ちちゃえばいいのに…。」

フッと奈々美ちゃんはキスする唇を拭って…私に顔を近づける。

お人形さんのようにメイクされた…可愛いタレ目。

近い…。

「スゥなんて…オーディション、ダメになっちゃえばいいっ!!」

「な…奈々ちゃん…。」

「私の朱雀じゃないならっ!!どうなったっていいっ!!
誰かに取られるくらいなら…堕ちればいいっ!!」


私は…一緒に堕ちたっていいっ…

一緒に…堕ちたいっ…



彼女はそう言い放つと、すくっと立ち上がって玄関を飛び出していった。