…PROLOGUE…



鏡の前。

ボーーっとしながら歯を磨く。


ダルっ…眠っ。


歯と歯ブラシが擦れる…シャカシャカ音。

クリアハーブミントの香り。

小窓から差し込む朝日。


「あ……つ!! あっあ…ぁっ!!」

ブクブクするコップっ!! 盗られたっ!!

左手に持っていた、うがい用コップ。

突然、私の胸元に腕を回していきた朱雀は…背後から私のコップを奪った。

「……ちょ、ちょっとぉ〜!!スゥ〜!!」

口内…泡だらけ、モゴモゴするしかない。

朱雀は回した腕に力を込めて…

ぎゅっと……バックハグ…。

彼は私ごと洗面台にうつむいて、私のコップでうがいをする。

しかもっ…

まぁ…まぁ…いつものことだけど…上裸っ。