紳士な御曹司の淫らなキス~契約妻なのに夫が完璧すぎて困っています

 翌週の土曜日、須藤さまは浮かない顔でヴォーグに現れた。


「……いつもより派手なのをお願いしますね」

「かしこまりました」


 憂鬱そうに須藤さまはため息をついた。


「明日、高校時代の友達の結婚式に招待されてるんです……。行きたくないけど、他の友達はみんな参加するから行かないわけにはいかなくて……」


 須藤さまが今にも泣きそうな顔になる。


「こんなこと思っちゃだめだってわかってるけど、高校生のとき、彼女よりわたしのほうが痩せてたし、もてたんです。それなのにどうして? って思っちゃうんです」


 須藤さまは天井をあおいで、自虐的に笑った。


「仕事で大失敗しちゃうし、友達の幸せを喜べないしあーあー、こんな性格だから、いい人に出会えないんでしょうね」


 それから須藤さまは、一言もしゃべらなかった。どうやら仕事の失敗と友人に結婚を先越されたのが重なり、相当ショックを受けているようだ。