いつもと違う光景。

そこには銀髪の男の人が立っていた。

同じ制服を着ているけど、男の子ではなくて男の人って感じがする。

背中を向けられているから顔は見えないけど、雰囲気でも顔が整っているんだろうなって思う。

あと身長がとても高い。

屋上に私が入ってきたのに気づいたのかこちらを振り向く。

私の事を見つめた後に言う。

「…あー。ここあんたの場所?」

「…へ?」

急に話しかけられて、変な返事をしてしまった。

「…あ、いや、私の場所とかじゃないですけど…」

「ふーん」

ピ、ピアスをつけている…

なんか制服ちょっと気崩してるし…怖い…

私がじろじろ見てたのに気づいたのか、彼が口を開いた。

「…何?」

そう言われて、そそくさに私はいつもの場所に早歩きで行った。

お弁当を開けて後ろを振り向くと、そこに彼はもう居なかった。