「ふむふむぅ〜。お前さんは、小見世の〝豆がら屋〟の所属に決まりですなぁ」
吉乃の前に立っていた女が所属の見世を言い渡された。
ハッとして顔を上げた吉乃は、肩を落として戻ってくる女を、ついまじまじと見つめてしまった。
(え……この子が、小見世なの?)
吉乃が見た女の顔は、この場にいる誰よりも整っているように思えた。
いわゆる器量良しなのに小見世行きとは、一体どういうことだろう。
「では次の女、お前で最後だ。前へ出ろ」
けれど答えが出ないうちに、とうとう吉乃の順番がまわってきてしまった。
部屋の上座に座り、女たちが行く見世を告げているのは見た目は腰の曲がった老人だが、額に古い御札のようなものを貼り付けている、人ならざる者だ。



