手を差し伸べることに躊躇した。

 だって僕はいつも一人だったから。

 誰もいない公園のブランコで、ただずっと空を見上げて歌っていた。

 今はその歌すら思い出せない。

 でも同じように歌いながら泣く君を見つけた時、どうしようもなく心がざわついた。

 大丈夫?」

 ホントは僕が、欲しかった言葉だ。