携帯の通話お終え、皆の元に戻る。


「急に申し訳ないのだけど。明日休みもらえないかな?」

 私は、皆に向かって両手を合わせた。


良太(りょうた)君?」


 薫が、少し心配そうな目をむけた。


「うん。ちゃんと話をしてくる」

「そうね、それがいいと思う」

 医院長が、大きく頷いた。


「プログラムどうしますか?」

 あかねが、パソコンの画面に映し出された予定表を見ながら言った。

「私やりますよ」

 美奈が手を上げてくれた。


「助かるありがとう。会議の方は、今から資料だけ提出して謝っておくから」

 私も画面を見ながら言った。

「あっ」
「あっ」

 あかねと同時に叫んだ。

「どうしよう、一条さん……」

 明日で最後と約束をしてしまった。それなのにキャンセルするのは気が引ける。


「わたしがやってもいいよ」

 薫がニヤニヤしてこっちを見ている。


「本当に? 何が目的なんだかよく分からないし、変な人よ」


「でも、カッコいいし、お金持ちっぽいでしょ?」

「そうだけど…… そういう事?」


「任せない。ちょっと確認したい事もあるしね?」


「確認?」


「そう? 経験値の高い、カウンセラーでも分からない事もあるかもよ?」


 薫が言うと、皆が頷いた。
 なんなのよ! 


「東京まで、長時間の運転だから、気を付けてよ」

 医院長が言った。