奇跡〜だいすきなひと〜

数日後、私が目を覚ましたのはママの声でも


アラームでもなかった。


「地震が発生しました。地震が発生しまし


た。」


私は緊急地震速報で目を覚ました。速報が


鳴って少しするとガタガタ地鳴りがしだして


揺れが始まった。


こころ、、、!


今日はママ早朝からだから二階の寝室にいる


のはこころ一人。荷物は少ない部屋だけど、


ドアが引き戸だから閉じ込められたら、、、


あの子終わっちゃう。


揺れが収まるまで時間がかかった。


結構大きく揺れたし、こころ泣いてないかな。


「こころ!」


「ねぇね、、」


私が階段の下から叫ぶと返事は返ってきた


けどそのこころの声はかなり震えていた。


怖かったよね。辛かったね。


「こころ降りてこられる?」


私が聞くと頑張ってみるっていう返事ととも


にドアをいじる音がした。がちゃがちゃ


やってる音は聞こえるけど、降りてこられ


ないってことは開けられないんだろうな。


時間かかるけど、私が行くしかない。


「こころ、ねぇね今からそっち行くけど時間


かかっちゃうと思う。ごめんね。」


「ねぇね、、、」


「こころ待っててね。」


足が動かない私にとって階段を登るのは過酷


なこと。だけど、時間がかかるとこころは


もっと不安になっちゃう。なるべく早くあが


らなきゃ。


車椅子を壁際に寄せて階段に手をついた。


左手で手すりを掴んで右手をついて押し上げ


る。思うように進まない。全然上がれない。


たった15段しかない階段がすごく高く感じ


る。


一段登るのにだいたい3分位かかってる。


こころにもう10分以上待たせてるのにまだ


3段しか登れてない。この間にまた揺れたら


どうしよう。不安に思いながら登ってると


聞き慣れた車の音がした。永遠くんだ、、、


車の音が止むとすぐに電話がかかってきた。


「あかり大丈夫?」


「うん、、、でもこころが、、、」


「鍵開けられる?」


ここから降りるのにまた時間がかかる。


どうやって開けよう、、、


そうだ、、、


「あのね、ポストの中に鍵が入ってるの。


番号は0907と0515で開くから取っ


て。」


「分かった。」


幼稚園に鍵を持っていくのが怖いってなって


家のポストに鍵が入ってる。ポストを開ける


のも二重ロックだし、この子が持ってるより


は安全なはず。


永遠くんが鍵穴に鍵を刺したときすぐに


さっきより大きく揺れだした。手すりを持っ


て耐えるけど幅の狭い階段じゃ耐えきれなく


て一番下まで背中から落ちた。


「いった、、、」


私が動けないでいると永遠くんがすぐに入っ


てきてくれた。


「あかり大丈夫!?」


「私は大丈夫だから、、こころのところに


行って、、、


引き戸の部屋にいるから。」


「わかった。」


永遠くんはそのまま二階に上がってこころを


連れてきてくれた。永遠くんに抱かれた


こころの顔は少しホッとしたような顔だった。