奇跡〜だいすきなひと〜

「あかり!退院おめでとう!」


「ありがと〜!」


迎えた退院日。待ちに待ってた。こんなに


長く感じた一週間は初めてだった。


だけど、永遠くんがそばにいてくれたから


苦ではなかった。退院するとき永遠くんは


学校で来れなかったけどその日の朝に長文の


メールが来てた。


ママとこころとお世話になったお医者さん


たちに挨拶。看護師さん、よく遊びに行っ


てた院内保育園の保育士さんたち。


たった一週間なのにすごく居心地の良い場所


になった。


「あかりちゃぁん!」


「ゆいちゃん!」


私が院内保育園についたとき一番に走って


きてくれたのはゆいちゃん。ゆいちゃんは


私が院内保育園へ遊びに行ってたときに一番


なついてくれてた子。名前は結瀬なんだけど、


一人称が『ゆい』だからみんなにゆいちゃん


って呼ばれてる。


「ゆいちゃん、走っちゃだめだよぉ。」


「だってぇ、あかりちゃんが今日でバイバイ


って聞いて寂しかったからぁ。」


「ありがとう。今日で私は退院するけど、


またすぐ会いに来るからね。」


「ほんと!?やったぁ〜!」


こんなに元気で他の子たちとなにも変わら


ないのに、、、


私は胸が苦しかった。この子は生まれつき


心臓に病気がある。だから、激しい運動も


できないし、思いっきり泣いたりもできない。


本人は知らないってご両親が言ってたけど


ゆいちゃんは大人になれない可能性が高いん


だって。今はこんな感じだけど発作を起こせ


ば意識がなくなることも少なくないらしい。


私もこの前、ゆいちゃんが意識不明の状態に


なっているのを見た。意識を失う怖さをその


とき知った。パパが死んじゃったときとは


違う、別の恐怖心。まだ4歳なのにあの怖さ


と常に隣り合わせで生きてると思うとほんと


に心が締め付けられるような気持ちになる。


「ねえねえあかりちゃんっ。」


「どうしたの?」


私が聞くとゆいちゃんはポケットから小さな


封筒を出した。


「これ、あかりちゃんに書いたの!」


そういってゆいちゃんは私にその封筒をくれ


た。裏を見ると、『あかりおねえちゃんへ』


って書いてあった。


「これ、、、」


「あかりちゃんにお手紙!」


「ありがとう。」


自分の目がウルウルしてるのが分かる。


この前一緒にひらがなの練習を始めたばっか


りで慣れてないのに手紙を書いてくれた。


「ほんとにありがとう。」


私がゆいちゃんにハグするとゆいちゃんは


私の耳元で


「あかりちゃんのこと大好きだよ。一緒に


ひらがなの練習できなくなるの寂しいけど、


ゆい、次あかりちゃんが来たときにもっと


上手になって待ってるね。」


って言ってくれた。なんでこんなにいい子が


病気に蝕まれるの?


なんでこんなに優しい子がつらい思いをしな


きゃいけないの?


神様は意地悪だ。


公平に命を分け与えてくれない。


悪いやつが長生きしていい子が短命に


終わる。