「そーそー。こういう喧嘩とか無縁だと思ってたけど市藤さんがあんなに怒った顔初めて見たよー」
「私も!」
突然廊下に響いてきた女子たちの声。
3組の市藤さんー。
そう聞こえたのは私だけじゃなかったみたい。
さっきまで離す気のなかった力強い腕が一気に緩んで2人で顔を見合せた。
あの亜子が喧嘩!?
そんなの夏に雪が降るくらい有り得ない。
亜子が本気で怒る所も周りを怒らせて揉める所も今まで見たことない。
それどころか亜子の口から誰かの悪口が出ることもほとんどないのに。
そんなの付き合いが浅い私やこの男ですらわかること。
何が起きてるのか確かめなきゃ!
