※あの乙女はニセモノです


いつも鬱陶しいくらい距離が近いから逆にこの距離感が気持ち悪い。



急に1人で怒り出して、なのになぜかついてくるって本当に怖いんだけど。



でもさすがにこのままの雰囲気でトイレまでついてこられるのもなぁ。



…何だかんだ結局、うじうじ考えて人のこと気にするとか私っぽくない。



特にあの男に関しては。



私は大きなため息をついて足を止めた。



そして後ろを振り返る。



相変わらずまだムスッとしてる。



「一旦なんなの?さっきから。何にそんなに怒ってんのよ!」



「…別に」