※あの乙女はニセモノです


今の流れで不機嫌になるところあった!?



本当に何を考えているのかわからない。



「わっ、私、トイレでも行ってこようかなぁー」



ごめん、亜子!



この訳の分からない空気、私には耐えられない!



そう思った瞬間の私の行動は早かった。



急いで机に広げられたお弁当を片付け、鞄に押し込む。



そしてそそくさと席を立った。



「…待って、私も行く」



いつもより低い声とお箸を置く音がやけに響く。



なんでこっちがこんなに気を使わなきゃいけないの。



そう思うのにこの空気じゃそんなこと言えるはずもなくて。



ただただ、気まずい。