「高良くん、相変わらずみーちゃんに甘いよねぇ〜」
「そうかな?真央はみんなにあんな感じじゃない?」
亜子はつまらなそうな物言いで自分の髪を人差し指でクルクルしながら言う。
興味が無いことっていうより亜子はこれが通常運転。
で、興味が湧きすぎるとこの前みたいに暴走しだす。
「それはそうと。あれ…何か怒ってるように見えるのは亜子だけ?」
「え?」
私は亜子の見つめた先をそっと見る。
そこには両頬を膨らませ明らかに不機嫌になっている男の姿が。
なっ、何でこんな怒ってるの?
急な展開に私も亜子も何が何だかわからず、ただ2人で顔を見合わせる。
