※あの乙女はニセモノです


あまりにもビックリしすぎてつい足が止まった。



まさか誰かの告白シーンに自分が遭遇するなんて思ってもみなかった。



“ゆりちゃん”という女の子が告白されているシーンを盗み聞きした上にその男の子が振られる所までバッチリ…。



なんていうか、不可抗力とはいえごめんなさいとしか言えない。



みんな登校中で正門の方はうるさい方だけど朝の校舎裏なんて私みたいな身を隠す人しか来ない。



それに思っていた以上に2人の声が大きかったのか私の耳にはよく届いた。



そうじゃなくたってこの声、嫌でも耳に入ってくるし。



“ゆりちゃん”って呼ばれてたけど間違いない。



最悪なタイミング。



よりにもよって何で今…。