「んー、まだ決めてない!」
「は、えっ?まだ決めてないの!?」
「うん!でも大丈夫!まっかせといて!」
うん、全然任せられない。
普通そういうのはある程度考えてから誘うものでは…。
はぁ。
なんだかどっと疲れが出て自然とため息がもれる。
こんなことなら走って逃げずに素直に言う事を聞いておけばよかった。
無駄な体力消化した。
そう思いながら亜子に続いて正門の方へ歩き出した瞬間…。
「あ、あのさ。俺、入学式で“ゆりちゃん”に一目惚れして…。その、よかったら俺と…付き合ってください!」
「ごめんなさい。私、気になってる人がいて…。だから、気持ちには応えられない。本当にごめんなさい」
