早くこの状況から解放されるためなら。 私は意を決してゆっくりと顔を上げた。 そして視線がぶつかる。 改めて顔見ると尚更恥ずかしい。 さっきまであの唇と…。 ってバカか私は。 何思い出してるの。 あんなのただの事故だって。 それに今上手いことやり過ごして終わればもうこの子には会わずに済むんだから。 「俺は有里夏李(ありさとなつり)。この4月から同じ学校の1年生だから!これからよろしくね、先輩」 う、嘘だ。 誰か夢だと言って。