ーどうやって病院に向かったのか全然思い出せない。



亜子たちと別れたあと、1度は切れてしまった病院からの電話をかけ直す。



少し取り乱した私に電話越しで丁寧に説明してくれた。



どうやら友達に会いに行ったおばあちゃんはその道中、気分が悪くなってしまい倒れ込んでしまったらしい。



幸いにも車の通りが少なかった事とたまたま通りかかった男の子が声をかけてくれたおかげで大事にはならずに済んだらしい。



ただ、倒れた時に複数の擦り傷が見られて、本人は大丈夫って言ってるみたいだけど歳が歳だから少し様子を見るため何日間か入院した方がいいとの事だった。



聞いた話だけだけど、おばあちゃんは大丈夫。



そう分かっているのに病室まで行くのに足取りが重い。



ーおばあちゃん、おばあちゃん。



この胸がドクドクする感覚は昔も1度経験した事がある気がする。