「うん」


はるとは何も言わず黙って聞いてくれた


「あたし、どうすればいいんだろう」

お母さんはあたしの記憶が戻ったことは、まだ知らない


知らないフリだってやろうと思えばできる



「…おれは…」


ずっと黙っていたはるとが急にしゃべりだした


「…おれはきおくがもどったこと、ちゃんと行ったほうがいいと思う。過去はどうあれあんなに娘のことを思って毎日毎日るなのこと見に来て、あの人が、るなのことを嫌いなはずがない」


と、真剣なまなざしで言ってきたのだ