私たちはジペットさんの家や、研究所、リングのご主人様の家のあるところへ帰ってきた。
今はリングとふたり、リングのご主人様の家に住んでいる。


私たちはリングの乗り物に乗り、ジペットさんのところにやってきた。

「ジペットさん、こんにちは!お姫様たちからお届け物が来たんで持ってきました!ジペットさんの分です、はい!」

『おや!ネオ、リング!いいのかい、こんなに!新しいバッテリーと、他にもこんなにたくさんのものをかい?ネオも新式のスーツをもらったんだな!』

いつものように笑って私たちを出迎えてくれるジペットさん。

「はい!カイナ様が見つけてくれたそうで、これも着心地がいいです。リングが調べてくれたら『正常』だって。リングがくれたものと交代で着ようと思って!」

『そうかい、良かったねえ、ネオ!』

「はい!」

ジペットさんは私の頭をそっと撫でてくれた。

『ジペットさんならば頂いたそれらを有効に使っていただけるだろうと。この前は部屋の改装を手伝っていただいてありがとうございます。』

リングがそう言ってジペットさんに頭を下げると、私もすぐに下げた。

『いいんだよ!ふたりとも私の孫のようなものだし、ご近所じゃないか。さ、ネオはお姫様と通信で一緒の授業の時間じゃないのかい?しっかり見て頑張ってくるんだよ?』

「はい!」

ジペットさんの言う通り、私は離れたあの国のお姫様と一緒に映像を通して勉強をしている。
前のように数式と言葉だけではなくて、この星の歴史なんかも教えてもらっている。

「ジペットさん、また後で来ます!行こう、リング!」

『はいネオ。ではジペットさん、またあとで!』

家の周りではジペットさんのお人形たちや、ジペットさんが直した機械やアンドロイドさんたちが作業していて、みんなの家も出来上がってきている。
今は力を合わせて、もらった材料でドームを組み立てているところ。私たちのところもそのうちお姫様のところのような街になる予定だから。

私たちもたまにお手伝いに来ていたため、みんなに顔もしっかり覚えてもらえている。

「みんな、あとで少しだけお手伝いに来ますね!」

私がみんなに手を振ると、みんなが笑って手を振り返してくれた。



『さあお姫様、ネオ、今日はお待ちかねの人形劇だ!リングも座って見ておいで!』

お人形の王子様が直ったことで、ご主人様の家とお姫様のお城を映像で繋いで、ジペットさんの人形劇が始まった。

さらわれたお姫様は悪い人たちに眠らされてしまった。
そこに、さらわれたお姫様を救おうと王子様が助けに来て、お姫様は王子様の優しい心で目覚める…

お姫様は目をキラキラさせながら劇を見ていた。

「…いいお話だけど、なんだか覚えがある気がする…なんでかな??」

私が小さくつぶやくと、リングは笑顔で小さく言う。

『それほどネオは様々なことをしてきたのだと言うことですよ。そして『物語』というのは語り継がれるもの。最初に出来たものとは外れ、その時代に合ったものに形を変えることもあるのです。』