ふたりで話していると突然、ガンッという音と衝撃が響く。

「いいから降りてこいっっ!!」

その人たちが、持っていたものを私たちの乗り物に当てたらしい。

『いけません。ネオ、一度乗り物をまた空へ浮かばせます。つかまっていてください』

リングは急いで乗り物を動かし、その人たちの届かない高さまで浮かばせた。
その人たちはとても驚いた様子で、中には持っているものを投げつけようとする人もいた。

『話ができる状態ではないようです。何かしらの話が聞けると思ったのですが。他の場所を見に行きましょう。』


私たちは仕方なく他に場所を移動した。
でも近くに陸は見当たらない。

『あの島は近代型のドームが使われていました。それなのに空を飛ぶこの乗り物は伝わっていない。それは少々変な話です。』

リングが言うには、あのドームははるか昔にこの世界にあった『技術』だという。

「…リング、あの人たちは私たちと協力してくれるかな…あんなに信じてもらえないなんて…」

私はつい弱音を吐いてしまう。
あの様子だと、私たちの話を聞いてくれるようには全く見えなかった。

『ネオ、この世には分かり合えないこともありますが、少しずつ理解し合うということもあります。少しでもそのきっかけがつかめればいいのですが』

ふたりで一生懸命に考えたけれど、いい案は思い浮かばなかった。

『あのドーム以外に生活圏が無いのなら、他はどこに行っても、これ以上の情報が無いかぎりは無駄足になってしまうでしょう。危険ですが戻りましょう、あのドームのところまで。』

リングは考えごとをしているのか、それ以上はまた何も言わなくなってしまった。


先ほどのドームのところまで来ると、また人が何人か出てきた。
そのあとに出てきたのは、丸みのついた足(タイヤ)と細長い口の付いた、とても大きな機械(戦車のようなもの)。

『いけません、あれははるか昔の戦闘用のもの』

リングは早口でそう言った。
そして、

『仕方がありません、降りましょう。何があっても、あなたを守らなければなりません!ネオ、私のすぐ後ろにいてください。』

私を真剣な顔で見つめる。

「うん…!」

なんだかあの機械みたいなものは『危険』らしい。リングは悲しそうな顔で私の手をそっと引いた。