リングが言うには、体がだるいと感じたり、頭に一時的に痛みを感じる、『頭痛』など、人間には色々な体の変化が起きるという。
その他にも、空から水が降り続く『雨』の他、『くもり』、『雷』、『雪』他にももっとたくさんの天気が、あるかもしれないという。

私はそんなのを見たことがない。
でも、ずっと昔は私のような人間がたくさんいて、他の天気もあったのなら…

「っ…平気…我慢するよ…!少しくらい頭とかお腹が痛いのだって、なったことあるもの!大きな音だって、研究所の中で大きなブザーが鳴ったことがあるわ!」

リングとジペットさんは心配そうに私を見つめる。

「私、今まで『てんき』なんて青い空しか見たことがないの。研究所の中からは全然見えなかった。だから耐えられるかなんてわからない。でも、今まで人間は平気だったんでしょう?目の前で見てみないと、本当に私の体にも何か起きるのか分からないわ。お願いリング…連れて行って…!!」

リングは私の言葉を聞いて、心配そうな顔を崩し、笑った。

『そうですね、ネオは人間ですから。様々なものを見て知っておいたほうが、きっと今後の役に立ちます。』

リングの言葉にもまだ心配そうなジペットさん。

『大丈夫なのかい、リング。私はふたりが大事なんだよ。無理をしないでおくれ。』

ジペットさんの気持ちは嬉しかったけれど、私は一生懸命伝えた。

「ジペットさん、心配してくれてありがとうございます…!でも私、色んなものをたくさん見てみたいんです!行ってきっと、ジペットさんたちのことも私たちのことも、助けてくれる人を探してくるから…!」

『なんてネオは良い子なんだろうねえ、勇気もあって!』

ジペットさんは私を抱きしめて言った。

『次の旅も、一段落したらきっと無事で、リングと一緒に帰ってくるんだよ。リングはしっかりもののネオの『お兄さん』だ。それでもな、私はふたりが心配なんだ。約束しておくれ。』

「っ…うん…うん…!!」

気持ちが嬉しくて言葉にならない。私の目からは涙があふれる。

『ネオごめんよ、痛かったかい?力加減がうまく行かなかったかい?』

「…ううん、嬉しかったの!ありがとう!!約束、します…!針千本も拳もないように、絶対にリングと…!!」

『ああ、気を付けて、行っておいで!』