外に出た乗り物がフワリと宙に浮かんだ。
「わ!」
初めての感覚。
なんだかドキドキと胸が高鳴った。
乗り物はひと目で王様のいた建物が見渡せるほどの高さを飛んだ。
『ネオ、とても嬉しそうですね。』
隣に座ったリングが私に声を掛けてくれる。
「空を飛ぶ、って、こんな感じなんだ…!」
『人間ははるか昔、空に憧れたと言います。ネオの中にもその遺伝子が組み込まれているのですね。体に異常が出なくて良かったです。すみませんが、もう少しの間だけベルトは外さずにいてくださいね。』
「うん!」
言われた私は体を動かしたいのを我慢して、座ったまま周りを見渡す。
こんなにウキウキしたのは、研究所を出て、初めて地面を歩いたとき以来…
『ネオ、怖くありませんか?』
「大丈夫、リングがいてくれるもん!」
前を向いていたリングは私をチラッと見て穏やかな顔で言った。
『ネオが楽しそうにしていて、私は誇りに思います。ネオが“笑った”のは一体、どれほど以来なのでしょう』
「え??」
王様のいた建物が小さくなっていくのを夢中で眺めていた私は、リングの呟いた言葉の意味がよく分からなかった。
しばらく私が空を飛ぶ乗り物から下を眺めていると、リングが言った。
『さあ、そろそろジペットさんの住居が見えてきますよ。』
「もう!?」
あんなに行きに長い旅をしていたと思っていた時間は、この乗り物ではあっという間だった。
『廃墟や砂山を確認し、避けながらだったので行きは時間がかかりましたが、悪天候では無いため時間がかからなかったのです。』
リングの言った『あくてんこう』というのを聞いたことが無かった私は、ボンヤリそれを何だろうと考えていた。
そして、あっ、と思った頃には、リングの『ごしゅじんさま』の家は過ぎていた。
見覚えのあるドーム形の小さな家。
王様のいた建物とは比べ物にならないほど小さい…
『何でしょう?この列は』
「え?…本当ね、なんだろう?」
『ごしゅじんさま』の家を過ぎて少しすると、大小様々な大きさのものが、広い砂の地面に一列に並んでいる。それも、ずっと長い列で…
『ジペットさんの住居がもうすぐのはずです。しかしこれは?』
ジペットさんの家に立ち寄るため、近くの何も無い場所に降りようと、下に向かって乗り物が降りていく。
「あ、あれ!」
私は地上近くに来て細かなものが見えてきたとき、ハッキリと見えたものを指をさして言った。
『あれはジペットさんではありませんか?』
見えたのは、砂ばかりの地に建つ自分の家の前で動き回るジペットさんの姿だった。
「何をしているのかな??それに、並んでいたのは…機械??」
『列になっていたのは、機械やアンドロイドだったのですね。』
よく見るとジペットさんの家から列になって機械たちが並び、ジペットさんはその機械たちをあちこち触りながら見ていた。
「わ!」
初めての感覚。
なんだかドキドキと胸が高鳴った。
乗り物はひと目で王様のいた建物が見渡せるほどの高さを飛んだ。
『ネオ、とても嬉しそうですね。』
隣に座ったリングが私に声を掛けてくれる。
「空を飛ぶ、って、こんな感じなんだ…!」
『人間ははるか昔、空に憧れたと言います。ネオの中にもその遺伝子が組み込まれているのですね。体に異常が出なくて良かったです。すみませんが、もう少しの間だけベルトは外さずにいてくださいね。』
「うん!」
言われた私は体を動かしたいのを我慢して、座ったまま周りを見渡す。
こんなにウキウキしたのは、研究所を出て、初めて地面を歩いたとき以来…
『ネオ、怖くありませんか?』
「大丈夫、リングがいてくれるもん!」
前を向いていたリングは私をチラッと見て穏やかな顔で言った。
『ネオが楽しそうにしていて、私は誇りに思います。ネオが“笑った”のは一体、どれほど以来なのでしょう』
「え??」
王様のいた建物が小さくなっていくのを夢中で眺めていた私は、リングの呟いた言葉の意味がよく分からなかった。
しばらく私が空を飛ぶ乗り物から下を眺めていると、リングが言った。
『さあ、そろそろジペットさんの住居が見えてきますよ。』
「もう!?」
あんなに行きに長い旅をしていたと思っていた時間は、この乗り物ではあっという間だった。
『廃墟や砂山を確認し、避けながらだったので行きは時間がかかりましたが、悪天候では無いため時間がかからなかったのです。』
リングの言った『あくてんこう』というのを聞いたことが無かった私は、ボンヤリそれを何だろうと考えていた。
そして、あっ、と思った頃には、リングの『ごしゅじんさま』の家は過ぎていた。
見覚えのあるドーム形の小さな家。
王様のいた建物とは比べ物にならないほど小さい…
『何でしょう?この列は』
「え?…本当ね、なんだろう?」
『ごしゅじんさま』の家を過ぎて少しすると、大小様々な大きさのものが、広い砂の地面に一列に並んでいる。それも、ずっと長い列で…
『ジペットさんの住居がもうすぐのはずです。しかしこれは?』
ジペットさんの家に立ち寄るため、近くの何も無い場所に降りようと、下に向かって乗り物が降りていく。
「あ、あれ!」
私は地上近くに来て細かなものが見えてきたとき、ハッキリと見えたものを指をさして言った。
『あれはジペットさんではありませんか?』
見えたのは、砂ばかりの地に建つ自分の家の前で動き回るジペットさんの姿だった。
「何をしているのかな??それに、並んでいたのは…機械??」
『列になっていたのは、機械やアンドロイドだったのですね。』
よく見るとジペットさんの家から列になって機械たちが並び、ジペットさんはその機械たちをあちこち触りながら見ていた。