許可をもらった私はリングと乗り物に戻った。

『ネオ、今のうちに食事を摂っておきましょうか。カプセルを。はい。』

「ありがとう、リング。」

私はリングのくれたカプセルを水で飲み込んだ。


「…リング、なんで王様は私を姫、って呼んだのかな…。そういえばリングも一度そう言ってたよね…?」

リングは少し間を置いてから、真剣な顔で私に言った。

『ネオ、いつかは言わなければならないと思っています。しかし、まだその時ではありません。私がいない間に変わったであろう世界が、明らかになったその時にお話します。必ず。』

きっと、リングが外にいなかった、研究所に私といたの間のことを言っているんだ…

「…よくわからないけど、じゃあ、今は…」

『お許し下さい。まだお話するわけにはいかないのです。とにかく、ネオのことは姫と呼ばれているということを覚えていて下さい。』

「…うん……」

リングに真剣な顔で言われ、私はそう信じることにした。

リングはいつも、私を心配して言ってくれるんだもの…


『人間の姫ネオ、その騎士リング。お前たちの処遇が決定した。』

「は、はい…!」

私とリングは王様の声が聞こえたさっきの場所に連れてこられた。

『姫、身体を機械化し、このエリアでの滞在を許可。リング、整備と最新の機能、通信機能を装備の上、このエリアでの滞在を許可。…契約、実行の上、双方にこのエリアの住民権を与える。』

「え!?」

…王様、私の体を機械化って……

『お待ち下さい!私は良いとして、ネオを機械化する?ネオは人間です!ネオのこの体では管理が出来ないためですか?』

リングは、混乱と怖さのために何も出来ない私の代わりに言ってくれた。

『当然。その代わり、ネオは上級エリアに移住。リングは他の者たち同様、かつて居た人間たちのような姿にすることも許可する。』

王様は淡々と言う。

『かつて、居た?』

「い、嫌…です…!!」

私はいても立ってもいられずに思わずそう言った。

リングがずっと守ってくれていたのに…

人間じゃなくなるのは……

「私は人間です!!体を機械にしたら、人間じゃなくなってしまいます!私にだってそれは分かります!!それに、向こうの、私たちのいたところはどうなるんですか!?ジペットさんや、溶けていくロボットさんたちは…研究所にいたお兄さんとお姉さんは……」

『姫は生き長らえたいとのこと。処遇の通りにすればそれは叶えられる。何が不満だ?』

「っ!だって…だって向こうにいる人たちは!?私だって、ずっとこの体だったのに…!!リングが守ってくれてたのに…!!」