私が大きな椅子に座ってウトウトとし始めた頃、ジペットさんの声がした。

『さ!お嬢ちゃんも起きておくれ。準備が出来た!』

「…準備……?」

目を覚ますと、キレイな絵が書いてある板がたくさん積まれていて、その手前には淡い色のキレイなヒラヒラした服を着た、機械のお人形が立っていた。

「わあ…!!」

『さ、今日はとっておきのお客さんが来たからね、一番良いのを見せてあげよう!まだこの世界に人間の子がいたなんて、おじいちゃんは嬉しいよ!!』

「え……」

ジペットさんの言葉に、私は思わずリングを見た。リングは何も言わない。
ジペットさんは気づかないのか続けた。

『今日のお話はね、悪者たちに閉じ込められたお姫様のお話だ!』

「…!!お姫様が出てくるの!?」

『そうさ、お城も出てくるよ!優しい王子様が出てくるかは、見てのお楽しみだ!さ、ふたりとも、座ったまま見ておいで!』

ジペットさんが何かの機械を動かすと、きれいな音楽が流れ、声が聞こえてきた。

………