「あ、好ちゃん、もう上がっていいよ。明日お休みでしょう?ゆっくり休んでね。お疲れ様」
さやさんが笑顔で言ってくれる。
「あ、はい。それじゃあ、お先に失礼します」
着替えて、コンビニを出る。
いつもの帰り道。
…この道で有樹さんに追いかけられたんだ
思いながら、訳もなく振り返ってみる。
そこに彼は…
居るはずがなくて。
今日も彼に追いつかれないまま、アパートに帰って来てしまう。
もう一度、大きくついた、ため息。
もう、諦めよう。
彼は、あたしの手の届く所には、居ない人。
彼は人気俳優で、
格好良くて、
身長だって、高い。
ちいさなあたしじゃ、どうやったって、釣り合わない。
諦めるしか、ない。
テレビを点ければ、彼と会える。
CMやドラマ、
彼を観ない日は1日もない。
テレビの中の彼でもいい。
「逢いたい…」
呟いた。
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