スタンドバイユー

「いや、俺さぁ、ちっちゃい頃からオフクロに「女だけは泣かすな」って、言われ続けて来たんだ。だから、本当に済まなかった




そうしてまた、彼は頭を下げる。



「本当にもう、いいんです。大丈夫です。でも、有樹さんって、すごく優しくて思いやりのある人なんですね。今日だって、わざわざあたしなんかの為に謝るために来てくれたんですよね?」




「あぁ。まぁ、な」



言いながら、うつむいた有樹さん。



「あれ?有樹さん、照れてます?」



「う、うるせーな。もう、帰る」



気がつかないうちに、有樹さんがうちへ来てから一時間半も経ってしまっていた。



「ごめんなさい。なんだか引き止めちゃって。わざわざありがとうございました」




玄関に向かう彼の背中に声を掛ける。



「俺も本当にごめんな。昨日の事」



あたしに背中を向けたまま彼が言う。



「いえ、いえ。本当に気にしないで下さいね。また、コンビニ、買い物に来て下さい」



「あぁ、また行く」


言いながら、彼が振り向いた。