何度でも君に好きが届くその瞬間まで【番外編】


「あ、その前に!服、着てくださいよ」

「え、なんで?」

「な、寒いでしょ!それに、目のやり場に困るんですっ」

「えー」


今さらでしょ…と、ぶつぶつ言いながら服を探している先輩


先輩が裸族だったのを知ったのは結構前


先輩が一人暮らしを初めて、私がほぼ毎日通うようになってから


懐かしいなぁ、初めの頃はよく追い返されてたっけ


テレビ番組を漁って、最近人気のアイドルが新曲を披露しているのを見ていたら

服を取りに行ったはずの先輩が裸のままで帰ってきた


「服、無いです」

「そんなわけないでしょう!」


もう一度取りに行かせようと背中を押すけれど、私の足の間に座り収まってしまった


あ、眠そう

やばい、やばい!!


結局、私が服を取りに行くと、ちゃんとそこには黒いトレーナーが置いてあった


「先輩、起きてください!風邪引きますよ!」

「ん、さむ」

「ほらー」


向かい合わせに座って、先輩にトレーナーを被せる

大きめなトレーナーは、少し袖が長いのか、先輩は萌え袖になっている


こいつ、狙っているのか?


なんて、彼氏が考えるようなことを思いつつ


自分から着そうにない先輩にトレーナーをあれよこれよと着させる


「先輩、腕通して、はい」

「ん、ありがと」


眠そうに目を細めて笑う先輩は、まさに天使


濡れたままの髪を乾かそうと、ドライヤーのコンセントを差して、温風を浴びせながら髪をすく


サラサラとなびく髪からは、私の大好きな先輩の香がする


黙って頭を傾けている先輩は、とっても眠たそうで


本当は、今日一緒にゲームしたかったなぁ…、この後はきっとすぐに、私を置いて、ベッド行っちゃうんだろうなぁ


そろそろいいかな、とドライヤーを片付けようと立ち上がったとき



「わひゃぁっ!」



手首を引かれて、前のめりに先輩にダイブしてしまう



ポスンと、先輩の腕の中に収まれば、背中に腕を回される