先輩を見上げれば、黒い瞳が揺れていた
先輩の困ったように笑う顔は、初めて見た
「何、ヤキモチなの?」
「………はい」
「ふふっ、素直」
下を向いた私を引き寄せると、頭に腕が回ってギュッと抱き締められた
暖かい先輩の体温
先輩の胸に顔を埋めた私にはよく見えなかったけれど、先輩の嬉そうに緩んだ笑顔はだけのものだといいな
なんて考えながら、先輩の腕のなかで目を閉じると静かな声がすぐ側で聞こえてきた
「羽華に言われたからだよ?女の子にはもっと優しくしなさーいって」
「え、え!!私、そんなこと言いましたか?」
「言った」
「……記憶にないなぁ」
「バカ」
「うぅ…」
そういえば、冬休みに入る前にそんな話をした気がする…
確か、湊先輩の為に作ってきたクッキーを、渡してくれたその子の目の前で裕先輩に渡して、食べさせてたから、流石に……と思って
恥ずかしさで、先輩の胸に顔を埋めれば、先輩も私の頭を優しく撫でてくれた
「だから俺、頑張ってたんだよ?」
「私のため……?」
「うん」
女嫌いの先輩が頑張って女の人と触れあっていたっていうのに!!
私はヤキモチを焼いて!!


