わぁ、この人怒る時も無表情なんだなぁ
それでいてオーラがピリピリとしている…
え、なに??怒る要素ありましたか!?
ていうか……
「ふ、不機嫌にだってなりますよ!!」
「うん、どうして?」
「ど、どうして!?はっ、!この鈍感どスケベ無気力王子っっ、むひっ!!ちょ、頬っぺた!!ほっ、頬っぺたを摘まむなああああっ」
反論する私の頬を真顔で弄ぶ先輩
人が真面目に話してるって言うのに!!
先輩の胸板を両手でバシバシ叩いて、睨み付ければ、フンッと鼻で笑われた
「キャンキャン騒がしいから」
「し、真剣に話してるんですっ!!」
「ふふっ、うん、ごめんね、話していーよ」
この人と喧嘩するとか一生無理な気がする…
というか、自分だって不機嫌丸出しの癖に!
「……記憶力がおバカな先輩の為に順番に話してあげます」
「おねがいします」
一歩、距離を取ろうとしたけど、先輩の腕は私の腰に回っていて、体はぴったりとくっついたまま
先輩の大きな目が、早く話して?と私を促してくる
「…どうしてあんな風に笑いかけてたんですか、私にはあんな風に優しく天使のような笑い方してくれないし、あんなに優しくお喋りしてくれないし、あと!!あの距離感!、女嫌いっていう設定忘れないでくださいよ!!他の人にあんな距離で微笑んで!恋愛ルートまっ逆さまですよ!あなた自分の顔面破壊力わかってます??わかってないでしょうね!」
「うん、ちょっと待って、ゆっくりお願い」
私が肩で息をしながら言葉を吐き出すと、先輩は、また、楽しそうに笑いながら私の頭を撫でた
……ずるい
いつもなら撫でて貰えたら嬉しさで昇天するけど、今は本当に怒ってるんだから!
「……女の子との距離が近いです」
「あぁ、それは…」
「笑顔とか、あんな風に私には笑ってくれない」
「うん、ごめんね」
俯いた私の頭を何度もゆっくりと撫でる先輩
指で弄ぶように髪を絡められれば、太陽色の髪がユルユルと流れる
「羽華が言ったんだよ」
「え?」
まさかの、私?


