「ロベルト」 とスカーレット。 「スカーレット?」 ロベルトは懐かしそうに言った。 「行っちゃうの?ねえ……もう、いいじゃない。フローラのことは……ね、ここにいてよ。街のみんなロベルトのヴァイオリンを愛してる。楽しく一緒に演奏会もしたいよ……ね、ロベルト……」 「スカーレット。俺、まだ諦めがつかない」 「ロベルト、死ぬまで会えないかもしれないなんていやだよ」 ロベルトはふ、と優しく笑う。