ペリドットの約束

「あー、花の精ね、なつかしいなぁ。ちょっと待ってね、楽譜はこの辺に……」
スカーレットは椅子の上にあがり、本棚の高い段にある楽譜を取り出した。

ロベルトはヴァイオリンをケースから取り出してチューニングをした。

「作曲家は誰なのですか?」

「あれ?知らないの?ロベルトだよ」

「……」
ロベルトは黙っている。

「あ、じゃあ始めよっか!」
スカーレットは前奏を弾き始めた。