まだ空は暗くて、空気はひんやりと冷たかった。光がこぼれ落ちそうな半月のとなりに、明るい星が光っている。

兄と巫女たちに見送られて、わたしとロベルトは神殿をあとにした。

「思ったより荷物少ないな」

「そ、そうですか…?」

「うん」

「それにお嬢様のわりには服装が思ったより地味だ」