「はぁ……わかりました。

情けない俺は金貨に目を奪われて
司祭様の妹君を連れて旅に出ますっと」


「頼みましたよ」


「ありがとうございます。お兄さま。

ロベルト、よろしくお願いします」
わたしは言った。


「明日中央駅から列車で西へと向かう。5時の列車だ」

「わかりました。急いで支度します」
わたしは笑顔で言った。

「旅の方、今日はどこにお泊まりですか?」
兄は言った。

「まだ決まってない」とロベルト。

「ではこちらにお泊りください。
食事はとられましたか?
粗末ですがミルクスープがあります」

「……すまない」

そうしてロベルトは兄の部屋の隣の、空き部屋に案内されていった。

わたしは急に起こされた巫女たちが、わたしが明日出発することにおどろいて、泣きながらお別れの時をともに過ごすことになるだろうと思った。

それは本当にそうなったのだった。