「お兄さま、どうして……」

わたしはこれまで、わたしを神殿に閉じ込める兄を少しばかりうらんでいた。

けれど、今となっては兄の白いふわふわの髪や、白いまつ毛や、

柔らかい物腰が、とてもとても懐かしい感じがして……


「信じているからですよ。プリシラ。

でも、ちょっぴりズルを言ってしまうと、
わたしには何もかもが視えるのですよ」