「あの……!」 「ん?」 「ついていきたいです!」 「えー。 あのねぇ、巫女さん、 お着替えとか大きな荷物とか、 持っていけないし、 お嬢様のご旅行とは違うし、それに俺が何かしたらどうするの?」 そう言った彼の瞳は、くりくりと大きくて、 髭や陰りのある髪型は、優しい顔のカモフラージュなのではないかと思えてきた。 そう思えば口は悪いけれど、 とても優しい人にに見えてきた。