ペリドットの約束

「本日の前菜はおさじの木の実に見立ててあります」給仕の人は言った。

「思い出のおさじの実ですわ。10年以上前のこと、あなた様が私を抱っこして私は手を伸ばして……おさじの実を摘みました」リリーさんは言った。

「ああ、そうだね」クリスさんはそっけなくそう言ってジェーンさんに視線を移した。甘い甘い目で……

ジェーンさんは顔を赤らめた。

リリーさんはフォークを落としてしまう。それをリリーさんは自分で拾って、咳払いをした。

メインの森のディッシュもデザートも美味しかったはずなのに、違和感でいっぱいになり、お料理にもお話にも集中できなかった。