何時間もらくだにのっていた。 ほぼ平坦な道のりだが、ときどき垂直になるのではないかと思うほどの岩場をらくだが乗り越えてくれる。そんなときはしっかりと落ちないように体を支えなければならなかった。気は抜けなかった。 途中の宿屋に着いたのは、月が登りはじめた頃だった。 「おでこ、大丈夫か?」 ロベルトは言った。 「大丈夫です」