何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】


「…俺言いたいんだ…。」
「何を?」



そろそろ月が顔を出す時間。




「この国が好きだって。」




ずっと言いたかった。誰かに聞いて欲しかった。


「…言えるようになるよ。」


君のその瞳に迷いなんてない。その力強い瞳に吸い込まれそうになる。


「天音がいてくれれば。言えそうな気がする。」
「じゃあ、みんなが京司の敵になっても、私は京司を信じるよ。」
「…ありがとう…。」


その笑顔が今日も輝いていた。


その言葉が聞けただけで十分だ……。